文明法則史学の研究方法
文明法則史学の基本は帰納的な文献研究である。帰納的に得られた結論が既知の成果と「結果として一致」することはあっても、恣意的なデータ収集等により既存のモデルに適合する結論を誘導するような手法はとらない。
2-1. 文明法則史学の研究法
- 対象地域・時代の通説を主要資料として、テーマ史・統計等を補助資料として読み込む。
- 一枚の年表に、政治・経済・軍事・社会心理・文化など各分野ごとの事跡を展開する。その際、事跡の抽出が恣意的にならないよう留意する。
- 作成した分野別年表から社会のエージング(aging;老化)をつかむ。
- 他のSSを参照しながら各指標点を決定する。通常、候補となる複数の事跡について比較し、指標点として最適なものを選ぶ。
- 得られた結果を図に展開する。
2-2.SSの認定基準
次の三段階すべてが明らかにされた場合に限り、SSの実在を認定する。
- 対象とする地域・時代が、周囲に独立し、前後に断層をもつ、社会的に均質な一つの塊(かたまり)であること。
- 1)の塊が興隆(成長)→高原(安定)→衰退という一連の盛衰パターンをもつこと。
- 2)の盛衰が社会心理の展開(少年型→青年型→壮年型→老年型)を反映したものであること。
※ 上記の認定基準に照らして十分な根拠を示し得ない場合、準SSとして認定する場合がある。
2-3.CCの研究法
- 明らかになったSSを地域別・時間順に展開する。
- SS同士を相互に比較し、各SSの個性を明らかにする。
- SS群の時間的展開に注目し、地域・時代を超えた共通性を探り、SSを超えたレベルの盛衰パターンを明らかにする。
1-2-1の「文明サイクル」の図に付記されている諸事象が比較の際に主要な観点となる。
2-4. SSの研究事例
SSの姿が明らかにされた過程は、西アジアのイスラム帝国SSに詳しい。イスラム史は多くの受験生が苦手とする箇所であるが、この社会がSSを成していることを理解すると、全体像や流れの把握が容易になる。
